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ルーフィング(防水シート)の重要性と選び方2025.08.20


■ ルーフィング(防水シート)の重要性
- 一次防水ではなく「二次防水」の要
- 屋根材(瓦・スレート・金属等)は一次防水であり、直接雨を受けます。
- しかし、台風や強風雨・積雪・経年劣化などで、屋根材の隙間から雨水が浸入することがあります。
- この侵入水を食い止めるのがルーフィングであり、家を守る最後の砦となります。
- 構造体の劣化防止
- ルーフィングが不十分だと、野地板や垂木が濡れて腐朽やカビが発生し、耐久性が著しく低下します。
- 結果として雨漏りや構造劣化、シロアリ被害に直結します。
- 耐用年数と屋根寿命の関係
- 屋根材そのものよりも、ルーフィングの寿命が建物の耐久性を左右します。
- 「見えない部分」だからこそ、品質選びを誤ると数十年単位で大きな差が出ます。

■ ルーフィングの種類と特徴
- アスファルトルーフィング(JIS規格)
- 最も一般的でコストが低い。
- 紙や不織布にアスファルトを染み込ませたもの。
- 耐用年数:約10~20年。
- 安価だが、長寿命を求める場合は不向き。
- 改質アスファルトルーフィング
- SBS(スチレン・ブタジエン・スチレン)やAPPなどの合成樹脂を加えたタイプ。
- 耐久性・耐熱性が向上し、クラックや流動に強い。
- 耐用年数:約20~30年。
- 現在の主流で、瓦・金属・スレートなど幅広い屋根材に対応。
- 高分子系ルーフィング(ゴム・樹脂系)
- ゴムアスファルト、TPO、EPDMなど。
- 高い防水性と耐候性を持ち、紫外線・熱に強い。
- 耐用年数:約30年以上。
- 高額だが、長期耐久住宅や高性能住宅におすすめ。
■ 選び方のポイント
- 屋根材との相性
- 瓦屋根:重量があるため耐久性重視 → 改質アスファルト以上を推奨。
- 金属屋根:熱伸縮が大きい → 伸縮性に優れた高分子系が有利。
- スレート:一般的には改質アスファルトで十分。
- 耐用年数とライフサイクルコスト
- 「屋根材の寿命」=「ルーフィングの寿命」と考える。
- 屋根材30年耐用なのに、ルーフィングが10年しか持たないと、途中で葺き替えが必要になる事もあります。
- 施工品質
- 良いルーフィングを選んでも、施工不良があれば意味がない。
- 釘穴処理、重ね幅(最低100mm以上)、立ち上がり部分の処理が特に重要。
- コストバランス
- 一般住宅なら「改質アスファルト」がコスト・耐久性のバランスで最適。
- 高耐久・メンテナンス軽減を狙うなら「高分子系」を検討。
■ まとめ(プロの推奨)
- **「ルーフィングが屋根寿命を決める」**と言っても過言ではありません。
- 屋根材に見合った耐用年数のルーフィングを選び、施工品質を確保することが最重要です。
- 標準的な住宅では 改質アスファルトルーフィング が推奨。
- 30年以上の長期耐久住宅を目指すなら 高分子系ルーフィング を検討すべきです。