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耐震と塗装の関係:塗膜では補えない部分の理解2025.09.02

耐震と塗装の関係:塗膜では補えない部分の理解

1. 塗装の基本的な役割

建物の塗装は、外装を美しく保つだけではなく、雨や紫外線から外壁や屋根を守る大切な役割を担っています。具体的には、防水性の確保、耐久性の向上、美観維持の3つが大きな目的です。つまり、塗膜は建物を外部環境から守る「保護膜」であり、構造そのものを強化するものではありません。


2. 耐震性能を決める要素

地震に耐える力は、塗装ではなく建物の骨組みや構造体に依存します。

  • 基礎の強度(地盤とコンクリートの健全性)
  • 柱・梁・耐力壁などの軸組の配置と強度
  • 接合部に使われる金物やアンカーボルトの性能
  • 屋根や外壁の重量バランス

これらが耐震性能を左右する要素であり、塗装によって補強することはできません。


3. 塗膜で補えない部分

塗装ではカバーできない点を整理すると、以下のようになります。

  • 建物の揺れに耐える構造強度
  • 基礎や外壁に発生する構造クラックの補修
  • 金物や接合部の不足・腐食の改善

例えば、外壁に小さなヘアクラックがある場合、防水塗料で雨水侵入を防ぐことは可能です。しかし、鉄筋まで影響する深いクラックは塗装では修復できず、構造補修が必要になります。


4. 塗装が間接的に耐震性を守る役割

直接的に耐震性能を高めることはできなくても、塗装は間接的に建物を守ります。

  • 外壁や屋根からの雨水浸入を防ぎ、木材の腐朽を防止する
  • 鉄部の錆を抑え、構造部材の劣化を防ぐ
  • クラックからの水分侵入を防ぎ、鉄筋の錆膨張を抑える

このように、塗装は「建物を長く健全な状態に保つ」という点で、耐震性能の維持に寄与しています。


5. まとめ

  • 塗装は耐震補強工事ではなく、建物を守るための外装メンテナンスである
  • 耐震性能を高めたい場合は、耐力壁の追加や基礎補強など、構造的な工事が必要
  • 適切な塗装を行うことで、建物の劣化を防ぎ、結果として耐震性能を「維持」することができる

お客様への説明としては、「塗装は耐震性を高める工事ではありませんが、建物を長持ちさせるために欠かせない工事です」と伝えるのが誤解を生まない表現です。



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