NEWS新着情報
外壁塗装においての下塗り・中塗り・上塗りの役割と塗膜性能への影響2025.09.13

外壁塗装や屋根塗装において「下塗り・中塗り・上塗り」の三工程は、それぞれが独自の役割を持ち、仕上がりや耐久性に大きな影響を与えます。
塗装は単なる美観の維持だけでなく、建物を紫外線や雨風、汚れから守る防護膜の役割を果たしており、各層が適切に施工されて初めて本来の性能を発揮します。

下塗りの役割
まず 下塗り は、素地と上塗り塗料を密着させる「接着剤」のような役割を担います。モルタルやサイディング、金属など下地の材質はさまざまで、そのまま塗装すると吸い込みや密着不良が起こりやすく、早期剥離やムラの原因となります。下塗り材(シーラーやプライマー)はこれを防ぎ、塗料の吸い込みを均一にし、上塗りの発色や仕上がりを安定させます。また、下地の劣化を補強する機能を持つものもあり、塗膜全体の耐久性に直結する重要な工程です。

中塗りの役割
次に 中塗り は、塗膜の厚みを確保し、性能を十分に発揮させるための層です。上塗りと同じ塗料を使用する場合が多く、塗膜に弾力や防水性を与え、外部からのダメージを緩和します。塗装はメーカーの仕様で決められた膜厚を守ることが耐久性確保の前提となっており、中塗りを省略すると膜厚不足により紫外線劣化が早まる、雨水の浸透を防げないといった不具合が生じやすくなります。また、色の均一性を出す役割もあり、仕上げ塗りの美観を支える工程といえます。

上塗りの役割
最後に 上塗り は、外観を整えながら塗膜の表面を保護する仕上げ層です。紫外線や酸性雨、汚れの付着から下層を守り、塗料本来の耐候性・防汚性・光沢保持性などを発揮します。フッ素やシリコン、無機系など塗料の種類によって耐久年数や機能は異なりますが、いずれも上塗りが直接外的要因を受け止めるため、この層の仕上がりは建物全体の美観と寿命に直結します。さらに、上塗りの色や艶はデザイン性を左右し、住まいの印象を大きく変える要素でもあります。

まとめ
このように、下塗り・中塗り・上塗りは単なる重ね塗りではなく、それぞれが役割を分担して塗膜性能を最大限に高めています。
どれか一つでも省略すると、塗膜の密着不良や剥がれ、早期劣化、色ムラなどの不具合が発生しやすくなり、結果的に塗り替え周期が短くなりコストが増える恐れがあります。各塗料メーカが指定している工程、乾燥時間をしっかり守ることも大切です。仕様通りに施工を丁寧に行うことが、塗装本来の耐久性・防水性・美観を維持するために欠かせないポイントになります。