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下地処理不足による凍害症状で剥がれる外壁の見分け方と対策を解説します2025.10.07

寒冷地で多く見られる外壁の「凍害(とうがい)」は、気温の寒暖差により外壁材内部の水分が凍結・膨張し、劣化や剥離を引き起こす現象です。凍害を放置すると、塗膜の浮きやひび割れ、さらには下地まで傷み、補修費用が高額になることもあります。ここでは、プロの視点から凍害による外壁の見分け方と効果的な対策を詳しく解説します。

まず見分け方ですが、ポイントは「塗膜の浮き」「ひび割れ」「表面の白化・粉化」「部分的な剥離」です。特に北面や日当たりの悪い箇所、雨水が溜まりやすいサッシ下や基礎付近は注意が必要です。触ると塗膜がパリッと浮いている、外壁表面がボロボロと崩れる、手に粉が付くといった症状が出ていれば、凍害が進行しているサインです。サイディング外壁の場合、ボードの継ぎ目や釘周りにできる細かいクラック(ひび)から水が侵入しているケースが多く見られます。

次に、対策の基本は「水の侵入を防ぎ、乾燥環境を保つ」ことです。塗装による防水層の再形成は有効ですが、単に上塗りするだけでは再発リスクがあります。まずは下地の傷みを正確に診断し、剥離部分はケレン(除去)とパテ補修で平滑に整えることが重要です。吸水性の高いモルタルやサイディングには、下塗りにシーラーやフィラーをしっかり塗布し、密着性を高めるのが基本です。また、使用する塗料は弾性系や防水性の高いシリコン・フッ素樹脂塗料がおすすめです。特に「微弾性フィラー+弾性トップコート」の組み合わせは、ひび割れ追従性にも優れ、凍害予防に効果的です。

さらに、外壁内部に水が入り込む根本原因として、シーリングの劣化や屋根・雨樋の不具合も見落とせません。塗装前に必ず目地の打ち替えやコーキング補修を行い、排水経路を確保しておくことが大切です。凍害は一見、塗膜の問題に見えても「水の通り道」の管理が本質的な対策となります。
総じて、凍害による外壁の剥がれは早期発見と適切な下地処理が鍵です。塗装のプロに診断を依頼し、原因を正確に特定したうえで、構造的な防水処理と高耐久塗料の選定を行うことで、長期的に外壁を守ることができます。






