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ガルバリウム鋼板の特徴と弱点について2025.10.21

ガルバリウム鋼板は、近年の住宅外壁や屋根材として非常に人気の高い素材です。アルミニウム・亜鉛・シリコンからなる合金でメッキされた鋼板で、従来のトタンや亜鉛メッキ鋼板に比べて格段に耐久性・防錆性が向上しています。ここでは、その特徴と弱点を詳しく解説します。

まず、ガルバリウム鋼板の最大の特徴は「高い耐久性」と「軽量性」になります。アルミと亜鉛の複合メッキによって、酸化やサビの発生を抑え、長期間にわたり美観と性能を維持します。特に沿岸部などの塩害地域でも比較的強い耐食性を発揮し、一般的な鋼板に比べて2〜3倍の耐久性があるとされています。また、非常に軽量なため、建物への負担が少なく、地震の揺れに対しても有利です。この軽さは、既存の外壁や屋根の上から施工するリフォーム工法にも適しており、工期短縮にもつながります。
次に、デザイン性の高さも魅力のひとつです。シンプルでモダンな印象を与える金属特有の質感は、スタイリッシュな外観づくりに最適です。カラーや形状のバリエーションも豊富で、縦張り・横張り・スパンドレル調など、建物のデザインに合わせた仕上がりが可能です。また、表面には耐候性塗装が施されているため、紫外線による色あせやチョーキング(白化現象)も起きにくい構造になっています。

一方で、ガルバリウム鋼板にはいくつかの弱点もあります。
一つ目は、断熱性・遮音性の低さです。金属素材のため熱を伝えやすく、外気温の影響を受けやすいという特性があります。夏は表面温度が高くなりやすく、室内の温度上昇を招くことがあります。そのため、断熱材を裏打ちした「断熱ガルバ」や、外壁の内側に断熱層を設ける施工が必要です。
また、雨音や風の音が響きやすいこともあり、静かな居住環境を保つには遮音対策を併用することが望まれます。

次に、サビの発生リスクです。ガルバリウム鋼板自体は防錆性能が高いものの、切断面やビス周りなど、メッキ層が傷ついた部分からはサビが進行する場合があります。特に施工時の加工精度や、コーキングの劣化などによって雨水が侵入すると、内部から腐食が広がる可能性があります。
定期的な点検や補修を怠らないことが、長持ちさせるポイントです。
また、凹みや傷がつきやすい点にも注意が必要です。金属板は衝撃に弱く、硬い物が当たると凹みやすいです。特に台風時の飛来物や強風による変形が起きることもあります。
ガルバリウム鋼板は「軽くて丈夫、デザイン性に優れた現代的な外壁材」と言えます。しかし、その性能を十分に発揮させるためには、断熱・遮音・防錆などの弱点を理解し、正しい施工とメンテナンスを行うことが不可欠です。適切な工事と定期的な点検を行えば、20〜30年といった長期間にわたって美しく機能的な外観を保つことができる優れた素材になります。