外壁塗装の人件費と施工人数の目安を解説します2025.11.14

外壁塗装における人件費と施工人数の目安は、工事品質と工期、安全管理に直結するため、プロの現場では最も慎重に見積もる要素の一つです。ここでは実際の施工現場の考え方を踏まえて、適正な人数と人件費の内訳を分かりやすく解説します。

まず、外壁塗装の基本的な施工人数は、一般的な2階建て延床30〜40坪（外壁面積120〜150㎡）の住宅で 職人1〜3名が標準 です。内訳としては、1人が養生・下地処理を進め、もう1人が高圧洗浄やシーリングの段取りを行い、仕上げ工程では2人が同時にローラー・刷毛作業を行うことで、塗りムラを防ぎ工期を短縮します。建物が大きい場合や付帯部が多い場合、3名体制に増員して作業効率を上げることもあります。

次に、人件費の目安ですが、職人の単価は地域差や会社規模で変動しつつも、外壁塗装職人の平均的な日当は 18,000〜25,000円 が相場です。経験10年以上の職長クラスで25,000〜30,000円になることも珍しくありません。例えば職人2名体制で10日間の工期の場合、単純計算で人件費は 36万〜50万円前後 が基準となります。ここに現場管理費（現場監督の手配・品質管理・材料発注などの間接費）が加わり、総額として見積もりに反映されます。

また、工期との関係も重要です。塗装は「乾燥時間」が工期を決めるため、人数だけ増やしても工程を短縮できない場合があります。例えば下塗り→中塗り→上塗りの各層でメーカー指定の乾燥時間を守る必要があり、この時間を無視すると塗膜剥離や艶ムラの原因になります。プロは「人数優先」ではなく、「工程優先」で最適な人員配置を決めています。

さらに、安すぎる見積もりで「1人施工」「応援職人の単発参加」が行われるケースは要注意。作業品質のばらつき、乾燥時間無視、下地処理の省略が発生しやすく、結果的に寿命が短くなります。一方で適正人数の確保された現場では、養生の丁寧さ、均一な塗り肌、工程管理の徹底が実現し、塗膜寿命も長くなります。

総じて、外壁塗装の適正な人員配置は「安全・品質・工期」のバランスのうえに成り立っており、人件費はその品質を支える重要な投資と言えます。