施工事例WORKS
目黒区目黒にて鉄筋コンクリート外壁をランデックスコート塗装B工法補修2025.09.12


お客様からのご要望とご提案内容
今回のお客様は、建物全体の経年劣化による雨漏りを心配されておりました。将来的に住み続けるか未定であるということを踏まえた上で、雨漏りを長期的に防げるのであれば、塗装補修費用は最大限に抑えたいとのことでした。また、補修費を支払い建物全体を塗装するのであれば現状よりも綺麗な状態に外観を整えたい、というご希望もありました。
今回の様な打ちっぱなしのコンクリート外壁を塗装補修するのであれば、弊社では、ランデックスコート塗料によるFC特殊工法かB工法を推進しております。
FC特殊工法(ランデックスコート) は、打ちっぱなしコンクリートの風合いを再現・保護する工法になります。経年劣化によって色ムラや雨染み、ひび割れが生じたコンクリート外壁に対し、専用の下地補修とランデックスコート材を組み合わせることで、コンクリート特有の質感を美しく復元します。ランデックスによる塗装を行う前にヒビの補修を行います。
通常の塗装のように厚い塗膜を作らず、職人の手作業により細かく化粧していくことで新たな表面にコンクリート風デザインの意匠性を作りだすことが出来ます。防水性・透湿性を兼ね備えているため、中性化の進行や雨水浸入を抑制し、建物の耐久性向上にもつながります。ですが、下記で説明しているB工法に比べ、補修内容が細かく手作業にかかる時間が大幅にかかってくるため高額な施工費用を要します。
FC特殊工法に対し、B工法は打ちっぱなしコンクリートの意匠性と防水性を両立させるための仕上げ方法になります。下地調整後に透明性のある保護材を塗布し、コンクリート特有の風合いをそのまま活かしながら表面を保護します。塗装前のひび割れ補修を行うと、塗料が透明であるためヒビ補修跡がそのまま外観に出てきてしまいます。ヒビ補修跡はとても目立ってしまうため、コーキングによるヒビ補修はお客様とご相談の上での施工となります。塗膜は透湿性を持ち、内部の湿気を逃がしつつ雨水や汚れの浸入を防ぐため、白華や劣化を抑制します。
既存の模様がそのまま残るため、高圧洗浄により下地を可能な限り綺麗にいたします。ですが限界があるため、B工法による補修をするのであれば外観が汚れにより古びた印象になる前に、施工することを勧めております。
冒頭で述べたお客様のご要望に沿った提案内容として、弊社では、完全に新築時のような外観仕上がりにはならないという了承を得た上で、B工法による補修を勧めさせていただきました。
工事の基本情報のご紹介
外壁平米数 | 304㎡ |
築年数 | 約20年 |
前回の塗装 | 無し |
費用 | 約195万円 ※同様・同程度の工事を行った場合の目安です(2025年時点) |
使用材料 | ランデックスコート(B工法) |
保証 | 10年 |
工期 | 約3週間程度 |
担当 | 小西圭司 |
現地調査時の様子(施工前の状況のご紹介)


鉄筋コンクリートの壁から錆が出ている場合、内部の鉄筋が腐食しているサインとなります。原因の多くは、コンクリートの中性化やひび割れから雨水・空気・塩分が浸入し、鉄筋が錆びて膨張することで表面に錆汁やひび割れ(爆裂)が現れることです。このまま放置すると鉄筋の断面が減少して耐久性が低下し、構造的な劣化につながる可能性があります。
現状として建物内部に雨水が侵入しており、外壁表面の防水機能がきれている証拠になります。


鉄筋コンクリート外壁や、つなぎ目の部分のシーリングにヒビが入ると、雨水や湿気、塩分などが内部に浸入しやすくなり、鉄筋の腐食やコンクリートの中性化が進行します。
ヒビからの水の侵入は建物内部への雨漏りやカビ発生の原因にもなり、耐久性・美観の低下につながります。軽微なヒビでも放置すると構造劣化が進むため、雨漏りを今後防いでいくためにも早期の補修やシーリング充填、防水塗装などによる補修が必要な状態でした。

縦の雨染みが発生しています。
これは、外壁のコンクリート自体が雨水を吸ったり、乾燥したりしているのを繰り返している状態です。
施工中の様子
1.足場組み


足場組みでは、施工する家と隣家との距離や公道までの距離と位置を確認し、安全を確保している状態で設置して行きます。まず、トラックで資材を搬入し、建物周囲に配置します。下から順に組み上げ、建物全体を覆った後、塗料飛散防止や作業員の安全確保のためのメッシュシート養生を足場外側に張ります。組み終えた後に、揺れや固定不良、塗装職人が作業をしやすい状態で組めているかの点検を再度行います。一般的な戸建て並みの大きさの場合、半日~1日で仮設できます。
今回の様に、道路を使用する場合は事前に地域所轄の警察書にて申請をあげ、写真の左下の様にガードマンを配置する等の対応をしております。
2.高圧洗浄により塗装下地を綺麗に整える


塗装前の高圧洗浄は、外壁や屋根の汚れ、カビ、藻、古い塗膜の剥がれかけ部分を除去し、塗料の密着性を高める重要な下地処理です。汚れやホコリが残ったまま塗装すると、塗膜の剥がれやムラの原因になります。高圧洗浄では水圧で表面を清掃するため、目に見えない微細な汚れや藻も除去可能です。特に屋根や外壁の凹凸部分は汚れが溜まりやすいため、丁寧に洗浄することが塗装の耐久性を左右します。洗浄後は十分に乾燥させることで、塗料がしっかり密着し長持ちする仕上がりになります。
3.塗装の仕上がりを左右する養生




養生は「塗らないところを守るための工事」であり、塗装の出来栄えを左右する工程になります。
塗装前の養生は、仕上がりの美しさと周囲への配慮に欠かせなく、窓やサッシ、玄関、床、植木、車などにビニールやシートをかけ、塗料の飛散やはみ出しを防ぎます。特にマスカーやマスキングテープを用いた境界処理は、美しい直線を出すために重要になってきます。
4.ランデックスコート下塗り【塗装1回目】




ランデックスコートの下塗り材は、コンクリート面と仕上げ塗材との密着性を高める重要な役割を担います。下地の吸い込みを均一化し、塗料ムラや色ムラを防ぐことで、美しい仕上がりに直結します。また、細かなひび割れや表面の微細な凹凸を整え、上塗りの耐候性や撥水性を最大限に発揮させる土台作りの工程でもあります。さらに、下塗り材がコンクリート表面を補強することで、長期的な塗膜の耐久性を確保し、仕上げ全体の性能を安定させます。
5.ランデックスコート中塗り【2回目】


ランデックスコートの中塗り材は、下塗りで整えた下地の上に塗り重ねることで、塗膜の厚みを確保し、耐候性や耐久性を高める役割を持ちます。特に打放しコンクリートの再生仕上げでは、色や質感のベースをつくる工程であり、上塗り材の仕上がりを安定させるための重要な土台となります。また、微細な凹凸や色ムラをカバーし、均一な表面を形成することで、最終的な意匠性を美しく表現できるように調整します。
6.ランデックスコート上塗り【3回目】



ランデックスコートの上塗り材は、仕上げ工程として最も重要な役割を担います。
中塗りで整えた表面を保護し、美観と機能性を長期間維持するために施工されます。具体的には、紫外線や雨水から塗膜を守り、汚れや雨だれの付着を防ぐ高い撥水性・防汚性を発揮します。
また、透湿性を持つため内部の水分を逃がしつつ、コンクリートの劣化を抑制します。
上塗りでは、色調や質感を最終的に決定するため、建物の意匠性を高める仕上げ材としての役割も果たします。
7.ベランダ防水のトップコート補修


ベランダ防水のトップコート塗装補修は、防水層を紫外線や風雨から守り、劣化を防ぐために欠かせない作業になります。
弊社では、外壁塗装の際には必ずベランダ防水の補修もセットで行うことを勧めさせていただいております。理由としては、ベランダ防水劣化による雨漏り事例が多々あるからです。
施工手順としては、まず既存の表面を清掃し、汚れや藻・カビを取り除きます。その後、表面を研磨して密着性を高め、ひび割れや浮きがあれば補修を行います。
下地処理が整ったら専用のトップコートを均一に塗布し、防水層全体を保護します。補修を適切に行うことで防水性能が回復し、美観も改善されるため、雨漏りや下地劣化を未然に防止できます。
定期的なトップコートの塗り替えは防水層を長持ちさせ、将来的な大規模修繕費用の削減にもつながります。
8.外壁のシーリング撤去とシーリング新設








打ちっぱなし外壁のシーリング打ち替えは、コンクリートの目地部分に充填されている既存のシーリング材を撤去し、新しいシーリング材に入れ替える工事になります。
打ちっぱなしの外壁はデザイン性が高い一方で、雨水の浸入やひび割れが起こりやすく、シーリングの劣化は外壁の耐久性や美観に大きく影響します。
施工手順としては、まず古いシーリングをカッターなどで完全に除去し、目地内部を清掃します。その後、プライマーを塗布して密着性を高め、新しいシーリング材を均一に充填し、仕上げを行います。特に打ちっぱなし外壁は見た目が重要なため、施工時には仕上がりの直線性や色合わせが求められます。定期的な打ち替えを行うことで、雨漏りや雨水の侵入による内部鉄筋の錆びを防ぎ、コンクリート構造物の長寿命化につながります。
9.ガレージ内の塗装




ガレージ内の塗装は、車の排気ガスや油汚れ、湿気による劣化から壁や天井を守り、美観を維持するために行われます。ガレージ内も外壁と同様、打ちっぱなしのコンクリート壁に適しているランデックスコートを塗布しました。
ランデックスコートは透湿性に優れており、内部の水分を逃がしつつ外部からの水は遮断するため、白華や剥離を抑制します。また、防汚性・耐候性にも優れており、長期間美しい仕上がりを維持できるのも魅力です。さらに、既存の色調を活かしたクリヤー仕上げになっているため、打ちっぱなしの風合いをそのまま残すことが出来ます。
10.木部の塗装


キシラデコールは、木部専用の浸透型木材保護塗料で、屋外木部を紫外線や雨水、カビ、腐朽菌、シロアリから守る特徴があります。通気性を保ちながら耐候性や防腐・防虫性能を発揮するため、ウッドデッキや外壁、ログハウス、木柵などに幅広く使用されています。
塗膜を表面に厚く形成するのではなく、木材内部に浸透して保護するため、塗膜の膨れや剥がれが起こりにくいのが大きなメリットになります。また、自然な木目を活かした仕上がりになります。
11.足場解体前検査【仕上がり確認】






足場を解体する前に職人と現場監督が責任をもって最後の確認を行います。
仕上がり写真にてご理解いただけるかと思いますが、打ちっぱなし外壁の場合、ランデックスコート塗料による塗装補修を行い、下地風合いをそのままデザインとして残すクリアー塗装工法(B工法)を選択するのであれば、汚れが目立ってくる前に塗装補修をすることを弊社ではお薦めしております。
お客様にも建物周りをご一緒に確認していただきます。また、足場を登らないと見えない部分は撮影した写真を見ていただきます。契約させていただいた施工内容に対し、お客様にご納得いただけるまで解体作業に進むことはありません。


足場解体後は、完工書類に記入をしていただき初めて工事が完工となります。
完工後、請求書と一緒に保証書をお渡ししております。お客様が安心して工事を任せていただけるように、工事期間中も施工が行われた日は写真と動画付きで進捗状況を報告させていただいております。
弊社では、お客様の納得と信頼に寄り添った工事を提案時から常々心がけております。外壁や屋根の補修でお困りやお悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください!